Theme of Study
B4
摩擦や負荷変動を考慮する設計法の一つとして,
LQ最適制御理論に基づく2自由度最適積分型サーボ系の設計法がある.
この設計法は,LQ最適制御理論による目標値追従特性に関する設計と,
積分補償器を加えることによる外乱抑制特性に関する設計を目的としており,
目標値追従特性に影響を及ぼすことなく,外乱抑制特性に関する設計を行なえる.
研究では,外乱抑制特性に関する設計の自由度を利用する一手法として,
モデル化誤差に対する安定性を保証する代表的な制御理論である
H∞制御理論を利用して,外乱抑制特性に関する設計を行なう方法を提案した.
この設計法により,従来の2自由度LQ最適サーボ系の持つ良好な
目標値追従特性をそのまま継承しつつ,摩擦やモデル化誤差に
対してロバストなサーボ系が設計できると期待できる.
この制御性能の有効性を,空気圧シリンダの位置決め制御実験を通して,
従来の設計手法との比較を行なうことで確認した.
← 空気圧シリンダ
M2
本研究では,拮抗型空圧人工筋駆動機構とよばれる実験装置を用いて,
高精度の位置決め制御を達成するための研究を行なっている.
この実験装置の駆動源である空圧人工筋は,軽量性や柔軟性に優れており,
その質量に対して,大きな力を発生することができるが,
この駆動機構は,産業用ロボットの位置決めに関する従来の問
題に加え,圧縮空気の剛性の低さや,人工筋の持つ非線形性など
の問題を有するため,正確な位置決めが困難である.
そこで,2自由度LQIサーボ系の設計法をこの実験装置に適用して位置決め制御を行なった.
このサーボ系は,目標値追従特性と外乱抑制特性を独立に設計でき
,制御目的に応じて柔軟に設計を行なうことが可能である.
しかしながら,正確な位置決めを実現するための,
2自由度LQIサーボ系の設計重みに関する設定指針については
絶対的なものがない.
よって,設計重みが制御対象に与える影響を,
位置決め制御実験の実験結果,および設計法の理論的な枠組から
考察することとし,その考察に基づき制御性能を改善して
高精度の位置決め制御を達成した.
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